Chartlotte de Rothschild(Soprano)

Summer Time Consert(2018.8.22)


シャーロット・ド・ロスチャイルドは世界中を飛び回って歌い続けている。

色々な時代、国、ジャンルの歌曲に関する幅広い知識を持っている為、これまでテーマ性のあるプログラムを数多く組んできた。その中でも良く知られているのが「一族の繋がり(Family Connections)」というプログラムである。このプログラムは、彼女の先祖であり、作曲や音楽の才能に長けていた19世紀と20世紀のロスチャイルド家の人々、そしてその師匠、友人などが残した作品や逸話などを取り上げたもので、シャーロットはこのプログラムをスイス、日本、シンガポール、台湾、そしてイギリスで上演してきた。

 主要なコンサート・ホールやフェスティバルなどで取り上げられたその他のテーマとしては、シャーロットが2012年の春に日本とインドで上演し、2014年の7月に日本で再上演した、季節ごとに編纂される「歌の花束(A Bouquet of Flower Songs)」や、イギリスの歌曲を集めた「魔法のような夜(A Magical Evening)」などがある。後者はハープの伴奏によって歌われ、ニンバス・レーベルより、「妖精の歌(Fairy Songs)」というタイトルでリリースされた。

ボストン、イェール、そしてロンドンでは、 ニンバスの所属アーティストとしてシャーロットは数々のCDをリリースしている。「マティルド・ド・ロスチャイルドの歌(The Songs of Mathilde de Rothschild)」というダブル・アルバムは、シャーロットの祖先で、ショパンの愛弟子であり、19世紀に多くの素晴らしいフランス語やドイツ語の歌を出版したマティルドの作品集である。他にも、シューマンの歌曲集「インティメートリサイタル(An Intimate Recital)」と「ファースト・グリーン(First Green)」、フォーレの歌曲集「ミラージュ(Mirages)」、そしてロジャー・クイルター作曲の歌曲集もリリースしている。

 シャーロットが初めて日本の歌曲を録音したCDは「日本の旅路(A Japanese Journey)」だが、このCDタイトルは彼女が、日本語の歌曲を録音した数少ない外国人歌手の一人であったため、それはまるでこのCDが『新たな発見の旅そのもの』であったことから名付けられた。

 彼女はこれらの美しいメロディを世界中で紹介してきているが、近年全く新しい試みとして、マイケル・コリンズの指揮のもと、シティー・オブ・ロンドン・シンフォニアというオーケストラの演奏をバックに、CD「花は咲く(Flowers will bloom)」をリリースした。その中で彼女は、良く知られている歌曲から、今まであまり歌われていなかったものまで、幅広く、心を籠めて歌い上げ、歌の美しさに新たな光を投げかけた。

 そして精力的な音楽活動は留まる事を知らず、2017年3月にはシティー・オブ・ロンドン・シンフォニアと共に日本ツアーを行い、数々の大型劇場で観客を魅了した。そのほかオーストラリアでの初公演も成功させ、2018年2月にはピアノ演奏と共に歌った新アルバム「故郷〜日本の旅路2〜」をリリース。日々精力的に、新たな音楽を生み出している。